平成14年度 情報技術教育委員会
「具体的な内容の研究」 小委員会 まとめ
1、研究の動機、背景、意義
ITまたはICTという言葉に代表される情報通信技術を工業における教科「情報」でどのように取り入れる(料理する)かという委員会の意向をうけて提案させてもらった物が、今回の「ネットワークコントローラの製作と活用」であった。工業ならではの取り組みを行うには、やはりハードの分野が入らなければいけないと思ったことと、情報通信技術ということ自体は従前から工業で取り組んでいた内容であって狭い範囲ではIC間の信号の授受であり、機器間ではプリンタ等の通信に使われるセントロニクス規格のパラレルプロトコルやモデム等に使われるRS232Cのシリアルプロトコルで経験済みである。ここに来てインターネットのように規模が大きくなり過ぎて勝手が違ってきただけなのでスパイスとして流行りのインターネットを組み合わせることで片隅に追いやられた機器の再デビューによってすばらしい実習装置や実習カリキュラム(料理のメニュー)ができると確信したからである。生徒の学力や意欲の低下が叫ばれる中で教員(料理人)が何かしてみようと思うヒントになれば幸いである。
注、ネットワークコントローラとは
ここでは、秋月電子のキットでTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)プロトコルを使った「PIC Network interface card」以下「PICNIC」というインターネットを活用できる制御装置を指します。尚、PICはマイクロチップ社のワンチップマイクロプロセッサの総称です。
2、研究の内容
(1)PICNICどんなことができるのか
PICNICの特徴は、10 Base T Ethernetに接続し、Serial, Parallel, アナログインターフェースを手軽に操作できることです。具体的には、接続時にhtml(Hyper Text Markup Language)をPC(Personal Computer)に転送しますから、IE(Internet Explorer)等のWebブラウザ(インタネット閲覧アプリケーション)でIPアドレス設定(機器に割り振るインターネット上の番号で現在24ビットで構成されている)、信号状態表示、制御出力が簡単にコントロールできる為、PCには特別なソフトが必要ありません、TCP/IP接続とWebブラウザがセットされていれば、様々なPC(DOS/V、MAC、UNIX、LINUX等)から簡単に制御できます。
◆ 遠隔地WANにも使用できる。
◆ IPアドレスポート番号などの設定変更可能。
◆ Webでの最大接続数は5個。(ネットワーク負荷の理由などで、実際は規定数の接続ができない場合がある)
◆ 出力:4点(マイコンI/OダイレクトH/L出力)LED表示有り。
(液晶使用時6) 4chのデジタル出力のON/OFF制御
◆ 入力:4点(マイコンI/OダイレクトH/L入力、要プルアップ)
(液晶使用時2接点)。
◆ 入力:4アナログ(0〜5V)10ビットA/D。
◆ 入力:1CHのLM35DZによる温度入力0-100℃。
◆ 液晶表示機能(オプションでIPアドレス等表示可)、RS-232C 入出力有り。
◆ ソケット接続も出来る、VB(Visual Basic Script)等でソフトを組むこともできる。サンプルプログラムはWebからダウンロードして使用できる。 http://www.tristate.ne.jp
◆ PIC16F877使用。
◆ 電源:DC8V〜24V。100mA MAX。
◆ 基板寸法:100mm x 70mm。
(2)入手方法について
購入先 株式会社 秋月電子通商
〒 101-0021 東京都千代田区外神田1-8-3 野水ビル1階
電話: 048-287-6611 FAX : 048-287-6612 http://www.akizuki.ne.jp/
ネットワークコントローラ該当ページ
(http://www.akizuki.ne.jp/ashop/pickit.htm#K-00102)
本体キット 「ネットワークコントローラ 商品番号 K-00102」
(ピックネットワークインターフェイスカードキット PICNIC Ver.2)
(★技術資料、専用ガラス両面基板、必要部品一式 1キット7300円、オプションLCD(液晶表示器) SC1602BS*B 750円、電源NP12-1S1210 12V1A 1個 \850)、液晶ディスプレイは無くても良い、電源は同等品があれば不要。
あまり薦めたくはありませんが完成品も販売している。
http://www.akizuki.ne.jp/ashop/new1.htm#K-00161完成品12800円


最近これに付属の新製品(サーボコントロール)が追加された
(http://www.akizuki.ne.jp/ashop/new2.htm#K-00166)
サーボコントロールの概要
PICNIC用ファームウエアとテスト基板2枚組のトランシーバーキット。
PICNICを1対1で接続し、相互に4CHの接点信号を送受(トランシーブ)できる。(トラフィックの状態にもよりますが「リアルタイム」) 入出力は独立したコネクターを用意、スイッチ入力は外部よりフォトカプラでアイソレーション又は内部のタクトスイッチ、出力は2SC1815相当のオープンコレクタ(LEDモニター付き)になっている。
IPアドレスは自分と送信する相手を設定します。接続するLANのIPと無関係に設定できますので、この2台は独立させて使用出来ますし、クロスケーブルで単独の2台での使用も出来る。
アナログはラジコン・プロポーショナル・サーボモーター(オプション)を利用した遠隔アクチュエーター4CHを装備。どちらかを送信クライアント(ボリューム)に設定、もう一方は受信サーバーとして設定しサーボモーターを取りつける。ボリュームの変化に応じてサーボモーターを動かす。(例として、2台のTVカメラの上下左右稼動雲台が実現します) ラジコン・プロポーショナル・サーボモーター(オプション)は、メーカーにより中心が「+」と「-」が有りますが、ジャンパーで全てに対応しています。(サーボモーターの電源は、DC5Vで独立別途必要です。専用DCジャック搭載済み)
ファーム書き込み済みPIC16F877x2、専用両面ガラステスト基板と部品x2、マニュアル付き
このキットを使用する為には、PICNIC V.1又はV.2 が別途2台必要です。


(3)小委員会の取組み(備前、新見北、笠工、倉工)
*2001/10 委員会予算でPINICを3セット購入。
*2001/11 組立後動作を確認,倉工の実習室にWebカメラを設置してPINICを撮影して手元に無い学校でも指定のIPアドレスからネットワークコントローラへアクセスして実験(LEDのオンオフ)ができるようにした。
小委員会メンバーにPINICを持回りして感触をつかんでもらう。
(現在は水工、笠工、倉工へ1セット)
* 2001/12 制御対象の調査(利用できるものを各校で調査)
古くなったPC周辺機器や実習装置があること確認。
* 2002/3 委員長名で各校にPINICの購入を依頼。(各校で購入製作し問題点を探る。)
(4)製作から完成までの問題点
*PICNIC 製作マニュアルVer.2.0 の訂正
正誤: マニュアル6ページ ブートストラップモード設定方法に誤り。
◆設定方法
例3 LCDポート番号を10000にする。
(正)PICNIC>l=10000(小文字のLです) ←(誤)PICNIC>p=10000
コネクタや電源用のICの取付けネジに注意。
動作テスト時にクロスのネットケーブルやパソコンのIPアドレスなどの設定変更が必要。
IP自動取得モード(DHCPモード)の設定を誤ると、ブートストラップモードでの修正が必要となる。パソコン通信ソフトとRS232Cケーブル(9ピン)が必要になる。
*PINGで応答はあるがブラウザで確認できない場合はPICNIC のhttpのポートアドレス指定が80以外になっている。
3、これまでの成果
*PICNICを各校で動作確認までできた。
* サーボコントロールを製作してラジコン用のサーボが遠隔操作できることを確認。
* ロボットの遠隔操作実験の確認用に、ネットワークカメラの動作を各委員に確認してもらった。

PICNIC本体

AC電源オンオフ用半導体リレー

映像確認用カメラ(左)と照明用ライト(右)

制御対象とした高電圧による物体浮遊実験装置。外部からの制御で照明と装置のオンオフができるので遠隔地から動作をカメラの映像で確認できるようにした。
4、今後の活動
高梁工業高校
校内のプライベートIPアドレスをふったまま、実験中で。現在は、写真のようなON−OF回路を自作しとりあえず、差し込みプラグ の先につないだ電気製品のON−OFに成功したところです。このコントローラは4bitのようですから、今後、制御回路を製作し10種類(学校にチップがあるらしい)のON−OFをようと思っています。
ただ、自己保持をかけたほうが良いとの意見もいただきましたので5種類程度になるかもしれません。実際に何に使えるのかあまり考えていませんが、課題研究で取組み。

備前高校
PICNICの動作確認と,USBカメラをWebカメラとして使うことの研究中。フリーソフトのList Camをダウンロードして生徒と研究している。この先は,備前緑陽高校の新築風景を中継できるように、PICNICで雲台をコントロールできるようにという目標で考えています。
倉敷工業高校
学校ロビーに展示しているギターロボットをインターネットでも閲覧・操作できるように作業中で画像と音声は市販のネットカメラを活用し電源操作やスイッチ操作をPICNICで行うように設置中。またシリアルでの制御実験を行うためプログラムについて検討中。
